永劫の罪人 光の咎人

「教皇になられるロンド様へ、花束を届けに参りました」

「私たちの気持ちです、お受け取りください」

 しおらしい声。少し低めの落ち着いた声。そして――。

「受け取ってくれなくちゃ、アタシ寂しいわン」

 異様に裏返ってかすれ気味だが、ノリのよすぎる男の声。

「え、え、えええ!?」

 驚きのあまり、ロンドは思わず三人を指さす。開いた口がふさがらない。

 三人が帽子のつばを上げ、ロンドへ顔を見せる。

 小さい女性はマテリアだ。
 四爪の傷跡が見当たらず、騒ぎを起こした少女とは誰も気づかないだろう。

「ふふ、どうだ? 最近の化粧はすごいな、簡単に傷跡なんて消せるんだものな」

 指でちょい、と傷跡をなぞるマテリアは、愛らしい少女を演じていた。
 そんな彼女を微笑ましく思うと同時に、残る二人の正体にロンドは冷や汗が出る。

 片方は絶世の美女と化したハミルだった。
 ただでさえ秀麗な顔立ちだというのに、身を空色の清楚なドレスで着飾ったせいで、傾国の美女になっている。

 そしてビクター。なまじ二人が似合っているだけに、不自然極まりない。
 たくましい二の腕は純白のドレスで隠せない上に、強く引いた口紅が、奇怪さを生んでいた。

 ようやく状況に目が慣れ、ロンドはマテリアから花束を受け取って尋ねる。

「あ、あの、どうしてそんな格好をしているんですか?」

「最初は街の人の目を欺くために、ハミルを変装させたんだけど……面白かったから、私とビクターも変装したんだ」

 朗らかにマテリアは笑ってから、一呼吸置いて口を開いた。