永劫の罪人 光の咎人

「行かせるかっ!」

 マテリアが触手をかいくぐり、ヴィバレイの額を目がけ、光の剣を突き立てる。
 しかし剣は突き刺さるどころか跳ね返り、光の粒に変わってマテリアの手から消える。

 あわててマテリアはその場を飛び退き、ビクターとともに廊下へ出た。

「真ん中の触手はすごい弾力だ。剣が刺さらない」

 そうマテリアがぼやくと、ビクターが「厄介だな」と言葉を返す。

「さっきから触手を斬っているが、弱る気配が全然ないぜ。どうにかして真ん中を叩かなねぇと……」

 少しうなってから舌打ちすると、ビクターはハミルを見やった。

「ハミル、援護を頼むぞ」

「……わかりました」

 指示されるのは不本意そうだったが、ハミルは間を空けずに言霊を唱える。

『天駆ける光の精霊、今ここに、その存在の徴を見せたまえ。聖域を踏みにじりし者、その穢れし脚に償いの枷を』

 新たに生まれた光の靄が触手へ集まり、じわじわとこちらに迫っていたヴィバレイの動きを止める。

「今のうちに……!」

 ビクターは大きく剣を振り上げ、あらん限りの力でヴィバレイを斬る。

 剣撃というよりも、殴打に近かった。
 うっすらと長い傷はついたが、それだけだった。

『邪魔ヲ、スルナッ!』

 ヴィバレイが全身を振動させると、足止めの光が散り、元のように動き出す。
 より大きな地鳴りを廊下に響かせて前進し、目前にいたビクターを触手で弾き飛ばす。

 その先には、運悪くハミルがいた。

「「うわっ!」」

 逃げ遅れたハミルにビクターはぶつかり、二人して床に倒れこんだ。