(少しは効いてる……のかな?)
光の加護が途切れないよう、ロンドは集中して法力を出し続けながら、奥の間を見続ける。
断たれた触手が次々と体液を飛び散らせ、部屋の景色を変えていく。
床や祭壇は黒い体液にまみれ、以前の神々しい輝きをなくしていた。
今までヴィバレイが築き上げてきたものが、消えていくような気がする。
思わずロンドに哀憐の情がわいてきた。
不意にヴィバレイと目が合う。
ニタアァ。
ヴィバレイの髭が、くいっと引き上がった。
『憎ラシイ、光ダ……』
ヴィバレイの殺気が、ロンドへ向かう。
その刹那、部屋に埋まっていた触手が数本、矢を射るような速さでロンドを襲う。
「ロンド様!」
触手のつけ根へ、ガストが体当たりする。
「ロンド、こちらへ」
わずかに軌道が逸れた隙に、ハミルがロンドの手を引き、避けることができた。
が、ヴィバレイの興味は手前の人間よりも、ロンドのほうへ向けられていた。
触手を次々と飛ばして奥の間の壁を壊し、穴を開けていく。
ついには部屋の天井まである巨体が、すべての触手を動かし、廊下へ出てくる。
ヴィバレイが前へ進むたびに、地響きがロンドの足に伝わってきた。


