「別れのあいさつをしようと思って、アスタロがいた警護隊の詰め所に行ったんだ。けど中に人がいなくて……今なら旅立つことをハミルに教えられると思って、教会にこっそり入ったんだ。そこで偶然、ハミルが王宮の人と話をしているのを聞いてしまって……ハミルのやっていたことを知ったんだ」
マテリアがハミルの胸元へ額を押しつける。
「裏切られたと思った、許せないと思った。だから私はハミルを殺したんだ。私が追い詰めてしまったのに、ハミルのせいにして……二人で教会から逃げることも、無理だと決めつけて……」
耐えていた涙がこぼれ出し、マテリアは泣きながら「ごめん」と何度も口にした。
半ば呆けていたハミルが、ゆっくりとマテリアの肩に手を置いて体を離す。
「……マテリア、君は悪くない。私の心が弱かったから、君を苦しめてしまった。もう私に構わず、自由に生きてほしい」
「嫌だ。もうハミルから逃げたくない。だから――」
マテリアは袖で涙をぬぐい、ハミルに手を差し出した。
「――今から一緒に行こう。今度こそ、ハミルを離さないから」
しばらく己の手を見つめ、ハミルは押し黙る。
再び口を開いたとき、「行けないよ」とつぶやいた。
「この手は君が思っている以上に汚れているよ。マテリアと一緒にいたいけれど、君を汚すわけにはいかない」
「私の手も綺麗じゃないよ。『永劫の罪人』の肩書きは事実なんだし。それでも……ハミルと一緒にいたい」
マテリアがハミルの胸元へ額を押しつける。
「裏切られたと思った、許せないと思った。だから私はハミルを殺したんだ。私が追い詰めてしまったのに、ハミルのせいにして……二人で教会から逃げることも、無理だと決めつけて……」
耐えていた涙がこぼれ出し、マテリアは泣きながら「ごめん」と何度も口にした。
半ば呆けていたハミルが、ゆっくりとマテリアの肩に手を置いて体を離す。
「……マテリア、君は悪くない。私の心が弱かったから、君を苦しめてしまった。もう私に構わず、自由に生きてほしい」
「嫌だ。もうハミルから逃げたくない。だから――」
マテリアは袖で涙をぬぐい、ハミルに手を差し出した。
「――今から一緒に行こう。今度こそ、ハミルを離さないから」
しばらく己の手を見つめ、ハミルは押し黙る。
再び口を開いたとき、「行けないよ」とつぶやいた。
「この手は君が思っている以上に汚れているよ。マテリアと一緒にいたいけれど、君を汚すわけにはいかない」
「私の手も綺麗じゃないよ。『永劫の罪人』の肩書きは事実なんだし。それでも……ハミルと一緒にいたい」


