大礼拝堂から、赤い絨毯が敷かれた廊下へ出る。
等間隔に壁へかけられた燭台の灯りが、点々と奥まで続いている。
ハミルは扉を閉めて、何かをつぶやいた。
「……法術で結界を張ったから、これで邪魔は入らないよ」
マテリアから手を離し、ハミルは前へ歩いて立ち止まる。
百年前、二人が亡くなった場所だった。
「マテリアに殺されるのは、嫌じゃないんだ。でも百年前……死に際に、君が死んでいくところは見たくなかった」
ハミルは両腕を広げ、マテリアへ笑いかける。
ずっと見慣れていた微笑みなのに、どこか寂しそうに見えた。
その途端、マテリアの頭が急激に冷えていった。
「ハミル……」
「やっと死んで、教皇の立場から解放されたと思ったのに、生き返ってまで教会に縛られるんだ……君の隣にいられないのは、もう耐えられない。だから君の手で、私にとどめを刺してほしい」
そう言ってハミルは静かに瞳を閉じた。
剣を鞘から取り出し、マテリアは切っ先をハミルに向ける。
かたかたと、別の生き物のようにマテリアの手が震えた。
(ごめん、ハミル……)
手に力を入れて震えを抑えると、マテリアは剣を構えて駆け出した。
胸の奥から吐き気がわき出て、全身に巡っていく。
(……今、終わらせるから!)
吐き気を呑みこみ、マテリアは空いていた手を剣に添えた。
等間隔に壁へかけられた燭台の灯りが、点々と奥まで続いている。
ハミルは扉を閉めて、何かをつぶやいた。
「……法術で結界を張ったから、これで邪魔は入らないよ」
マテリアから手を離し、ハミルは前へ歩いて立ち止まる。
百年前、二人が亡くなった場所だった。
「マテリアに殺されるのは、嫌じゃないんだ。でも百年前……死に際に、君が死んでいくところは見たくなかった」
ハミルは両腕を広げ、マテリアへ笑いかける。
ずっと見慣れていた微笑みなのに、どこか寂しそうに見えた。
その途端、マテリアの頭が急激に冷えていった。
「ハミル……」
「やっと死んで、教皇の立場から解放されたと思ったのに、生き返ってまで教会に縛られるんだ……君の隣にいられないのは、もう耐えられない。だから君の手で、私にとどめを刺してほしい」
そう言ってハミルは静かに瞳を閉じた。
剣を鞘から取り出し、マテリアは切っ先をハミルに向ける。
かたかたと、別の生き物のようにマテリアの手が震えた。
(ごめん、ハミル……)
手に力を入れて震えを抑えると、マテリアは剣を構えて駆け出した。
胸の奥から吐き気がわき出て、全身に巡っていく。
(……今、終わらせるから!)
吐き気を呑みこみ、マテリアは空いていた手を剣に添えた。


