永劫の罪人 光の咎人

 マテリアを見た瞬間。
 ハミルは人のよい微笑みを消し、血相を変える。

「みなさん、彼女から手を離してください」

 ハミルの言葉で、マテリアは周りを見回す。
 いつの間にかマテリアの体へ、大勢の人間がしがみつき、背後で人の塊ができていた。

 つい数日前、ビクターに買ってもらった服もボロボロになっている。

「道を開けてください。大丈夫、彼女は私の知り合いですから」

 動揺する僧侶たちをかき分け、ハミルが近づいてくる。
 と、マテリアにしがみついた人々を見渡す。

「彼女を離してください。お願いします」

 口調は変わらずだが、有無を言わせぬ威厳に満ちた声。
 人々は声をうならせながら、マテリアから手を離す。

 そしてハミルは、ようやく自由になったマテリアの手をにぎった。

「君が何をしたいか、わかっているよ。こんなに人が見てたらやり辛いだろ? 奥へ行こうか」

 いつもと変わらない笑みを浮かべ、ハミルがこちらの手を引く。
 無言でマテリアはついていった。