永劫の罪人 光の咎人

 まさか、そんな恐ろしいものを作ってしまったなんて。
 ロンドの胸が張り裂けそうになる。

 不意にビクターが、ロンドに笑いかけた。

「悪く考えるとそうだが、まあ裏を返せば、我を忘れなければ普通に生活できるってことだけどな」

 ロンドが言い返さずに黙っていると、代わりにガストが口を出す。

「つまり知っていながら、マテリアに副作用の重荷を背負わせたということか。残酷だな」

「そう言われると耳が痛いな。だからこそオレは、オレの身勝手で生き返ったマテリアを幸せにしたいんだ」

 ビクターはマテリアの髪を優しくすいた。

「そのためなら、オレは何でもやってやるさ。ハミルだけじゃなく、この国の住民をすべて敵に回してでも」

 続けざまに出てくる事実が、今までのビクターを覆していく。
 いつも楽天的で、気ままな人だと思っていたのに。

 それでも裏切られたという気分にはならない。
 むしろビクターの重荷を、ロンドは悲しく思う。

(きっと今まで苦しかったんだろうな。一人で副作用と向き合って……)

 だからといって、別の人間に副作用を背負わせる理由にはならない。だからこそビクターはマテリアに責任を感じているのだろう。

 そして、自分はビクターを非難できるような立場ではない。

(僕が秘薬を作ってしまったから、二人の人間に重荷を背負わせてしまったんだ)

 これからどうすればいいだろうか?

 おそらくビクターとマテリアを逃せば、ハミルは激昂して、我を失うかもしれない。
 かと言ってマテリアとハミルを一緒にさせれば、マテリアが記憶を取り戻したときに、正気でいられないかもしれない。

 ロンドが必死にこれからのことを考えていると、ビクターの腕の中で、マテリアが身じろいだ。