永劫の罪人 光の咎人

 教会の中からわずかに漏れる光が、うす暗い中庭をぼんやり映す。

 辺りを見回してガストしかいないことを確かめてから、ロンドは小声でささやいた。

「ガスト様、人が来たら教えてください。今からすることを、見られるわけにはいかないので」

 急な話で困惑するかと思ったが、ガストは表情を変えずにロンドへ顔を近づける。

「やはりほかの目的がおありなのですね。なにをされるおつもりですか?」

「ビクター様と連絡を取って、話を聞こうと思います。ハミル様やシム様を疑うわけではありませんが、ビクター様がこんな事態を引き起こすなんて、考えられません」

 宿屋を立ち去る直前、「今から生きていくほうが大事」とビクターは言っていた。
 そんな人が理由もなく教会へ押し入り、人を殺めるものだろうか?

 ロンドがガストの返事を待っていると、彼は口元に手を当て、わずかにうなった。

「自分もあの男を見てきましたが、こんな愚かなことをする者ではないと思います。もしかすると、ビクターを装った偽者の可能性もあります」

「僕もそう思います。ではガスト様、見張りをお願いします」

 互いにうなずき合うと、ロンドはガストから離れ、両手を組んだ。
 そして口早に言霊をつぶやいた。

『天駆ける光の精霊、今ここに、その存在の徴を見せたまえ。我ら子に、現(うつつ)の声を伝えたまえ』