これは天上から与えられた試練なのかもしれない。
ロンドがそう思った矢先、ガストが馬を止めて前方を凝視した。
「ガスト様、どうされましたか?」
「教会に灯りが点いています。たいまつの火も見えます……様子がおかしいですね」
ロンドも馬を止めて前を見る
。いつも教会では宵のうちに灯りを消しているが、今はぼんやりと暗闇に光をこぼしている。たいまつも教会の中と外を、何度も出入りしている。
小首をひねりながら、ロンドは不安で顔をしかめた。
「なにかあったのでしょうか……ガスト様、急ぎましょう!」
「わかりました。私が先頭を走りますので、ついて来てください」
ガストは足で馬の腹を叩き、教会へと馬を走らせた。
すぐにロンドも愛馬を走らせ、後に続く。
教会の前まで来ると、警護隊の隊員や僧侶たちが、せわしなく動いていた。
先にガストが馬を降りると、ロンドが馬から降りるのを助けながら、近くにやって来た若い隊員へ声をかける。
「一体なにがあったんだ?」
「た、隊長、大変です!」
隊員は興奮を落ちつけようと、何度か深呼吸する。
それから唾を飲みこんでから、やっと答えた。
「また賊が教会に侵入しました! その賊に襲われて、ヴィバレイ様がお亡くなりに……」


