夜の闇が深まり、街の灯りもまばらになった頃。
各々に馬へ乗ったロンドとガストは、並んで教会への帰路につこうとしていた。
行きのときよりも沈黙が重い。
昼間の喧噪はすでに消え、馬の歩みだけが耳に聞こえてくる。
ロンドは苦しげに目を細めながら、これからのことを考える。
マテリアとハミルの過去をあばいて、二人を苦しめたくはない。
これからも過去を思い出さずに仲よくしていけるなら、それに越したことはない。
(明日から今まで通りにしないと……僕にできることは、それだけだから)
その反面、このまま二人を会わせ続けていいのだろうか? とも思う。
ビクターに話を聞いてから延々と考えていたが、答えは出なかった。
ロンドは細長く息を吐き出した。
「大丈夫ですか、ロンド様?」
宿屋を出てからずっと無言だったガストが、いつもより低い声で尋ねる。
心配をかけないように答えたいが、そんな気分になれなかった。ロンドは小さく頭を振る。
「……すみません。まだマテリア様がハミル様を手にかけたことが、信じられなくて……」
「私も同感です。未だに信じられません」
そう言ったきり、二人は再び無言になった。
馬たちの足音と息づかいだけが、ロンドの耳によく響いた。
各々に馬へ乗ったロンドとガストは、並んで教会への帰路につこうとしていた。
行きのときよりも沈黙が重い。
昼間の喧噪はすでに消え、馬の歩みだけが耳に聞こえてくる。
ロンドは苦しげに目を細めながら、これからのことを考える。
マテリアとハミルの過去をあばいて、二人を苦しめたくはない。
これからも過去を思い出さずに仲よくしていけるなら、それに越したことはない。
(明日から今まで通りにしないと……僕にできることは、それだけだから)
その反面、このまま二人を会わせ続けていいのだろうか? とも思う。
ビクターに話を聞いてから延々と考えていたが、答えは出なかった。
ロンドは細長く息を吐き出した。
「大丈夫ですか、ロンド様?」
宿屋を出てからずっと無言だったガストが、いつもより低い声で尋ねる。
心配をかけないように答えたいが、そんな気分になれなかった。ロンドは小さく頭を振る。
「……すみません。まだマテリア様がハミル様を手にかけたことが、信じられなくて……」
「私も同感です。未だに信じられません」
そう言ったきり、二人は再び無言になった。
馬たちの足音と息づかいだけが、ロンドの耳によく響いた。