永劫の罪人 光の咎人

 しばらくその場から動かず、ハミルは冷静さを取り戻す。
 それと同時に足元の光が消えていき、ビクターが施した足止めの術も解ける。

(なんて忌々しい男だ。どうしてくれようか)

 ハミルは部屋の中を見渡す。
 床に倒れている椅子は、ビクターにぶつかったせいで壊れている。
 よく見ると、いくつか床に剣で作られた傷もついている。

(この状態なら、十分に賊が入った言い訳が立つ。ヴィバレイ様に報告して、今すぐ警護隊にビクターを追わせよう)

 ハミルは離れから外へ出ると、目前にある教会への扉に向かった。

 扉をくぐり、細い廊下を歩いてすぐ、ヴィバレイの私室があった。
 部屋の前には、いつでも教皇から指示を受けられるように、椅子へ座って待機しているシムの姿が見える。

 シムはこちらに気づくと、椅子から腰を上げた。細い目を線にして、愛想笑いを浮かべている。

「ハミル様、どうなされましたか?」

「非常事態が起きました。ヴィバレイ様にお目通り願います」

 不思議そうに「はあ」と、シムは冴えない声を出す。

「しばらくお待ちを」

 後ろへ振り向き、シムは部屋の扉をノックした。

「ヴィバレイ様、ハミル様をお通ししてもよろしいでしょうか?」

 部屋の中から「構わぬ」というヴィバレイの声がした。
 すぐにシムが扉を開き、ハミルを中へ通す。

 ヴィバレイが立ってハミルを出迎える。
 彼の後ろにある机の上には、ランプと読みかけの本がある。