これ以上、彼の声を聞きたくない。さっさと気絶させ、警護隊に捕まえさせよう。
苛立つままに、ハミルは言霊を早口に言った。
『天駆ける光の精霊、今ここに、その存在の徴を――』
「あー、やめとけ。お前の法術じゃあ、オレを完全には縛れないぜ? 力はオレのほうが上だからな」
にんまりビクターが口端を上げる。
と、おもむろに立ち上がり、ビクターは光を手で払った。
棒状になっていた光は辺りに散り、光の粒となって彼にまとわりつく。
光の精霊がビクターになついている。
光を崇める教えの僧侶でなければ、精霊を従わせることはできない。
ハミルは目を見張り、一歩たじろいだ。
「まさか、貴方も僧侶だと?」
ビクターは喉でかすれた笑いを鳴らす。そして早口につぶやいた。
『光司る者、我が声に応えよ――』
聞きなじみのない言霊とともに、ビクターを囲っていた光の粒がきらめく。
見た目は変わらないというのに、ビクターが光の神秘をまとい、清々しい聖人の空気を漂わせる。
『――今断崖から足を踏み外さんとする愚者の足に、加護の枷を』
言い終わると同時に、光の粒がハミルの足元へ集まっていく。
ぐっ、と足を押さえられた感触に驚き、ハミルは足を上げようとした。
しかし足は動かず、動くことはできなかった。
「貴方は何者なんですか!?」
「認めたくはないが、オレはお前と同類なんだ。こことは違う宗教の元僧侶で、元教皇。そして大昔に死んだのに、教会の都合で生き返らされた男……まあオレはハミルと違って、さっさと教会から逃げたけどな」
苛立つままに、ハミルは言霊を早口に言った。
『天駆ける光の精霊、今ここに、その存在の徴を――』
「あー、やめとけ。お前の法術じゃあ、オレを完全には縛れないぜ? 力はオレのほうが上だからな」
にんまりビクターが口端を上げる。
と、おもむろに立ち上がり、ビクターは光を手で払った。
棒状になっていた光は辺りに散り、光の粒となって彼にまとわりつく。
光の精霊がビクターになついている。
光を崇める教えの僧侶でなければ、精霊を従わせることはできない。
ハミルは目を見張り、一歩たじろいだ。
「まさか、貴方も僧侶だと?」
ビクターは喉でかすれた笑いを鳴らす。そして早口につぶやいた。
『光司る者、我が声に応えよ――』
聞きなじみのない言霊とともに、ビクターを囲っていた光の粒がきらめく。
見た目は変わらないというのに、ビクターが光の神秘をまとい、清々しい聖人の空気を漂わせる。
『――今断崖から足を踏み外さんとする愚者の足に、加護の枷を』
言い終わると同時に、光の粒がハミルの足元へ集まっていく。
ぐっ、と足を押さえられた感触に驚き、ハミルは足を上げようとした。
しかし足は動かず、動くことはできなかった。
「貴方は何者なんですか!?」
「認めたくはないが、オレはお前と同類なんだ。こことは違う宗教の元僧侶で、元教皇。そして大昔に死んだのに、教会の都合で生き返らされた男……まあオレはハミルと違って、さっさと教会から逃げたけどな」


