永劫の罪人 光の咎人

 挑むような眼差しで、ハミルはマテリアの視線に深く絡んでくる。

「私は望んでいないよ。昔に戻るなんて、考えるだけで耐えられない」

 ハミルは立ち上がり、マテリアを見下ろした。

「今も昔も、私にとってあの頃は大切だけど……ずっと辛かったんだ。君との関係を変えられないことに、私は絶望していたんだよ」

「そんな……」

 殺された恨みをぶつけられるより、今の言葉のほうが苦しい。
 動揺でマテリアの鼓動が大きく脈打ち、体に痛みを走らせた。

 言いたいことはたくさんあるのに、焦れば焦るほど言葉が出てこない。

 そして、マテリアの頭が揺れ始めた。
 だんだん思考が止まってゆく。

「な……んだ、これ?」

「効いてきたようだね。ちょっとお茶に、眠り薬を入れさせてもらったよ」

 ゆったりとした足取りで、ハミルが近づいてくる。
 逃げようとしてマテリアが体を動かすと、力が入らず体勢を崩し、テーブルに突っ伏した。

 今にも閉じられそうになるマテリアの目は、かろうじてハミルの姿を瞳に入れる。
 かすかに見える彼の顔は、寂しそうに苦笑していた。

「安心して。殺されたことを逆恨みして、君を殺す気なんてないから……おやすみ」

 そっとハミルがマテリアの頭をなでる。

 薬草採りを手伝ったとき、いつも「ありがとう」と言って頭をなでてくれた手。
 すべてを思い出しても、彼の手に触れられることが好きだった。

 次第にまぶたが閉じていく。
 目の前が暗くなった瞬間、マテリアの意識は深く沈んでいった。