永劫の罪人 光の咎人

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 拝観できる時間がすぎた夕暮れどきの教会に、人はまばらにしかおらず、静かなものだった。

 マテリアは教会の表から入らず、教会の裏にある警護隊の詰め所へ行った。
 ハミルから伝言を聞いているおかげか、待機していた隊員に快く中へ通してもらえた。

 大抵の僧侶は、刻限がすぎれば近隣の宿舎に行くが、ロンドや現教皇など立場ある人間は教会内に寝床を構えている。
 百年前の教皇ということで、ハミルは特別に教会の裏庭にある、来客用の離れを与えられていた。

 早くハミルに会いたい。その一心で、マテリアは庭の隅に建つ、乳白色の壁の小さな家に駆けこむ。

「ハミル、こんばんは!」

「早かったね、マテリア」

 扉を開けると、ハミルは重厚感のある木のテーブルに、花の絵が描かれたティーセットを並べている最中だった。
 こちらへ気づくなり、彼は嬉しそうに表情をほころばせる。

 外観よりは大きく感じる、広い居間。
 来客用のためか、テーブルの脚や戸棚に、木や鳥の文様が施され、気品を演出している。

「まあ座って。今、お茶を淹れるよ」

 言われるままに椅子へ座ると、マテリアはお茶の準備を進めたハミルを見上げる。

 絶え間なく浮かべている、花もかすむような微笑が間近にある。
 それが嬉しくて、マテリアの顔もつられて笑顔になった。