◆ ◆ ◆
拝観できる時間がすぎた夕暮れどきの教会に、人はまばらにしかおらず、静かなものだった。
マテリアは教会の表から入らず、教会の裏にある警護隊の詰め所へ行った。
ハミルから伝言を聞いているおかげか、待機していた隊員に快く中へ通してもらえた。
大抵の僧侶は、刻限がすぎれば近隣の宿舎に行くが、ロンドや現教皇など立場ある人間は教会内に寝床を構えている。
百年前の教皇ということで、ハミルは特別に教会の裏庭にある、来客用の離れを与えられていた。
早くハミルに会いたい。その一心で、マテリアは庭の隅に建つ、乳白色の壁の小さな家に駆けこむ。
「ハミル、こんばんは!」
「早かったね、マテリア」
扉を開けると、ハミルは重厚感のある木のテーブルに、花の絵が描かれたティーセットを並べている最中だった。
こちらへ気づくなり、彼は嬉しそうに表情をほころばせる。
外観よりは大きく感じる、広い居間。
来客用のためか、テーブルの脚や戸棚に、木や鳥の文様が施され、気品を演出している。
「まあ座って。今、お茶を淹れるよ」
言われるままに椅子へ座ると、マテリアはお茶の準備を進めたハミルを見上げる。
絶え間なく浮かべている、花もかすむような微笑が間近にある。
それが嬉しくて、マテリアの顔もつられて笑顔になった。
拝観できる時間がすぎた夕暮れどきの教会に、人はまばらにしかおらず、静かなものだった。
マテリアは教会の表から入らず、教会の裏にある警護隊の詰め所へ行った。
ハミルから伝言を聞いているおかげか、待機していた隊員に快く中へ通してもらえた。
大抵の僧侶は、刻限がすぎれば近隣の宿舎に行くが、ロンドや現教皇など立場ある人間は教会内に寝床を構えている。
百年前の教皇ということで、ハミルは特別に教会の裏庭にある、来客用の離れを与えられていた。
早くハミルに会いたい。その一心で、マテリアは庭の隅に建つ、乳白色の壁の小さな家に駆けこむ。
「ハミル、こんばんは!」
「早かったね、マテリア」
扉を開けると、ハミルは重厚感のある木のテーブルに、花の絵が描かれたティーセットを並べている最中だった。
こちらへ気づくなり、彼は嬉しそうに表情をほころばせる。
外観よりは大きく感じる、広い居間。
来客用のためか、テーブルの脚や戸棚に、木や鳥の文様が施され、気品を演出している。
「まあ座って。今、お茶を淹れるよ」
言われるままに椅子へ座ると、マテリアはお茶の準備を進めたハミルを見上げる。
絶え間なく浮かべている、花もかすむような微笑が間近にある。
それが嬉しくて、マテリアの顔もつられて笑顔になった。


