永劫の罪人 光の咎人

 わからないのはこっちも同じだ。
 知りたかったことを知ってスッキリしたかったのに、余計に胸の中がもやもやする。

 ただ、己のすべきことはわかっている。

 ビクターは立ち上がると、壁に立てかけてあった剣を手に持った。

「ちょっとマテリアを迎えに行ってくるぜ。まだ記憶が戻っていなくても、いつ思い出すかわからないからな。オレが様子を見てくる」

「じゃあ僕も……」

 鈍い動きで踵を返そうとしたロンドを、ビクターは肩をつかんで留まらせる。

「そんな状態で、いつも通りハミルと会えるのか? 動揺したままじゃあ無理だろ。ここで頭を整理させてから教会に戻れよ」

 扉の前に立っていた二人を迂回し、ビクターは扉の取っ手をつかんだ。

「正直言うと……オレはマテリアがハミルを殺した理由なんて、今さらどうでもいい。昔はどうであれ、今から生きていくほうが大事だしな」

 そう言い残し、ビクターは二人を置いて部屋を出た。

 廊下を歩くビクターの足は早まり、異様に心が高揚する。
 わずかに口元へ笑みが浮かんだ。

(これで理由ができたな。ハミルと一緒にいても、マテリアは苦しむだけだ。だったらもう我慢はしない、ハミルなんかに渡してたまるか)

 鼓動がひとつ、ビクターの全身を大きく叩いた。

(マテリアは、オレのものだ)

 頭ではなく、胸奥からそんな思いが浮かぶ。
 ハッと我に返り、ビクターは頭を振って理性を取り戻す。

(危ない危ない。己を見失ったらお終いなんだ、オレたちは――)

 昂る心を抑えようと、ビクターは立ち止まり、深い呼吸とともに心を落ち着かせる。そうして一気に床を蹴り出した。