永劫の罪人 光の咎人

「ロンドだろ? 遠慮せずに入れよ」

 ドアが弱々しく開き、フードで顔を隠したロンドと、厳つい顔で突っ立っているガストが姿を見せる。

 ロンドは部屋へ入るなり、しきりに中を見渡す。

「あ、あの、マテリア様は?」

「見ての通り外出中だ。ハミルに会いに行っているぜ」

 別段おかしなことを言ったつもりはないのに、ロンドは小さく息を呑んだ。

「大変だ! どうしましょうガスト様。お二人が争うなんてことになったら……」

 頭のフードを外しながら、沈んだ顔でロンドがつぶやく。
 さっきまで泣いていたのか、目は少し赤くなり、未だに潤んでいた。

「まだ二人に記憶が戻っていなければ、問題はありません。ロンド様、あまり考えすぎないほうがいいですよ」

 後ろからガストが、ロンドの肩に手を置く。
 いつも無愛想な顔だが、今日は一段と厳つくなっているように見える。

 どうも様子がおかしい。ビクターは身を乗り出す。

「どうした? 何かあったのか?」

 一瞬こちらの問いかけに、ロンドの体が小さく跳ねる。
 それから意を決したようにおずおずと話し始めた。

「……実は、ビクター様にお話したいことがあるんです。マテリア様のことで」

「もしかして、マテリアの過去か?」

 少し間を置いて、ロンドはうなずいた。

「はい……」

 ロンドの声がみるみる沈んでいく。話をしようと口を動かそうとしているのに、声がかすれてうまく出せない。そしてついには口を閉ざして、下を向いてしまった。