《月夜side》



9月、まだ少し暑い昼下がり。クーラーの効いた涼しい店内。目の前には、美味しそうにイチゴパフェを食べる可愛い彼女。

なんか…“幸せ”って感じ。
告ってないから、まだ彼女じゃないけどさ。


「…一口もーらいっ!」


姫梨の手を掴んで、ピンクと白のアイスが乗ったスプーンを口に運ぶ。


「あまっ…。」


甘いものはそこまで好きじゃない。案の定すっげー甘くて、すぐにコーヒーを流し込んだ。


『もしかして、甘いもの苦手?』

「うん。」

『じゃあ何で食べたの?』

「何でって…。」


姫梨があまりにも美味しそうに食べてるから、食べてみたくなった。

同じものを、姫梨の好きなものを、食べたくなった。