「勇!!愛!!
今すぐ姿を現しなさい!!今日こそ燃えるゴミに出してやる!!」
凄まじい勢いで階段を駆け降りる音と物騒な発言と共に叶栄が台所に向かってくる。
「こ、今度は何………?」
叶栄はほぼ毎日不機嫌だが今日はより一層荒れている。
理由は多分………
「あのやんちゃ坊主達…」
つい苦笑いしてしまう。あまりに日常茶飯事すぎて注意する気も起きない。
「あまねぇ!!!
あいつらどうにかしてよ!!」
肩を大きく揺らしながら叶栄は物凄い血相であたしに迫る。
「叶栄…今日は何されたの?」
大抵、叶栄の化粧道具を乱用されたとか、髪にガムを付けられたとかなんだけど…
「…知りたい?
ねぇ知りたい!!!?」
「ひいぃぃぃ〜っ!!」
こ、怖いですよ叶栄さん!!!
顔が阿修羅像のようだよ!?
「うわあぁぁぁんっ!!」
叶栄の顔に驚いた考ちゃんはまた泣き出してしまう。
「わあぁぁんっ!!考ちゃん泣かないでーっ!!
もう叶栄!その顔どうにかしなさい!!」
「はぁっ!!?
顔は生まれ付きだっての!!」
そんなこんなで我が家の朝はスタートする。
全くもって騒がしくも賑やかな朝だ。


