「俺が…恐いか?」
そう尋ねた海月の声は酷く沈んだような自嘲的な声だった。
「海月…?」
どこか様子のおかしい。影が射したように暗い顔をしている。
「何でも無い。そろそろ部屋に戻る」
海月はそれだけ言って立ち去ってしまった。
「海月…何であんなに寂しそうな顔をしたの…?」
あたしが思ってた以上に、海月が背負う痛みや傷は重いのかもしれない。
「海月………」
あたしがあなたの重荷を一緒に持ってあげられたらいいのに…
あたしは考ちゃんの手を握りしめて海月が消えた扉をしばらく見つめていた。
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