学校に行くと皆卒業式ムードになっていて


教室の中では泣いている生徒がたくさんいた




「翔!」


後ろを振り向くとゆいがいた


少し目が腫れていて


でも俺の目の前で笑顔を見せてるゆい


「あっ・・・。
よかったぁ。
ねぇ。一つだけお願いしていい?」


「ん?
何?」


「第二ボタンくれない?
一生の思い出にするから。」


「え?」


「だーかーらー。
ボタン。
だめ?」


「あぁ。全然。
こんなのでいいならいくらでも。」


制服についている金ボタンを引きちぎって


ゆいに渡す


「ありがとう。
大切にするね」


うっすら目に涙をためて


ゆいはそう言った


「うん。
元気でな」


「翔こそ。
何かあったら連絡ちょーだいよ。」


「おぉ。
ゆいもな。」


「うん。
それじゃぁ」


栗色の髪が揺れる


俺は君に何をしてあげられたんだろう


たくさんの思い出の中で


俺は君と出会えて


本当に感謝してる


ありがとう、ゆい


そして


さようなら