たった一人の親友へ〜another story〜

“前に進めない”


その意味をここ数日ずっと考えてた


俺はどうしたいんだろうって


自分に嘘をついて、ゆいに対しても嘘をついて


お互い一緒に居続けることは簡単だ


でもそれってどうなんだろう


だっていつか絶対後悔すると思ったんだ


さなが本当に自分から離れて行く前に


俺は伝えたいって思った


さなには一生俺の傍で笑っていてほしいから


さなの笑顔をずっと見ていたいから






俺の言葉を聞いたゆいは泣き顔を俺に向けて


「翔らいしいね。」って


笑った


「本当はずっと分かってたよ。
翔の気持ちなんて。
でも怖かった。いつか自分から離れていく翔のこと考えたら。
だから言えなかったの。
あたしの方こそごめんね。」