たった一人の親友へ〜another story〜

泣き疲れたさなは


そのまま大人しく俺の腕の中で眠った


いい加減この無防備さ直してほしいよ、なんて心の中で文句を言いながら


俺も理性と現実との狭間で、深い眠りについた






朝からけたたましいインターホンの音


「だれぇ?」


眠そうに目をこするさなが隣で動いている


「んん?
さな出てくんない?」


もおっ、なんて文句を言いながら玄関に向かうさな




俺はまたそこで深い睡魔に襲われる


ウトウトし始めた頃、さなが玄関から戻ってきた


思いつめた表情


何だかその瞬間嫌な予感がして


どうしても起き上がる気分にはなれなかった




俺が寝ていると思ったのだろうか


少しほっとした表情を見せたさなは


机に置きっぱなしの俺の携帯に目を向けた




それを見たさなは極度に動揺した表情を見せ


家を飛び出して行った




突然のことと寝起きの状態で頭が全く働かない


ふとさなが見た俺の携帯に目をやると


そこには昨日の夜作りかけたゆいへのメールが映っていた