たった一人の親友へ〜another story〜

その日久しぶりにさなが俺の家に泊まることになった


いつもの定位置に座る彼女を見て


何だか涙が出そうになった俺は


それを振り払うように熱いシャワーを浴びて


何もかも忘れさろうとした




俺はゆいとやり直すんだ


そんなことを頭に刻み込んで


愛しい彼女の顔を思い浮かべて


必死で平静を取り繕っていた




風呂からあがると


妙にから元気なさながいて


聞いてもないのに、つけっぱなしのテレビの説明なんかし始めて





気付かないとでも思ったのか


さなの顔を見た瞬間に分かってた


何度も必死で顔を洗ったんだろう


それでも少し目は赤いままで




他のやつなら気付かないかもしれない


さなの微妙な変化に




「さな………?

お前また泣いただろー」