道程は、覚えている。
沖田から貰った地図と一致しているそこは、万年桜のある場所だった。
凜は膝に手を付いて荒い呼吸を繰り返す。
落ち着いた頃に、凜は桜を見上げた。
――あぁ、私はここを知っている。
桜の木に触れて、静かに目を瞑る。
全ての記憶が、流れ込んでくるようだった。
再び目を開けた時、その視線の先に人の姿が見えた。
そろそろ、彼との約束の時間だったのだ。
凜は胸が弾むのを感じながら、抑え切れずに走り出す。
「――――総司……っ!」
ぽっかりと抜けていた時間を埋めるように、凜は沖田に抱き着いた。
「……え……凜、今…」
驚きを隠せない沖田の胸の中で、やっぱり落ち着く匂いだと凜は頬を寄せる。
「…思い出したよ。ここで誓い合った事も……この櫛を貰った事も、全部全部全部………」


