誠ノ桜 -誠の下で-




「俺はそんなの気にしない。気にならないぐらいに、凜が――」


そこまで言い掛けて、沖田は口を閉ざす。


「いや…、やっぱり言わない。あんまり起きてちゃ体に障るよ」


そう言って凜から離れ、そっと布団に寝かせた。


「お休み」

「…………お休み」


不服そうな表情の凜に微笑を浮かべ、沖田は襖に手を掛ける。

凜は何となく寂しい気がして、その姿をじっと見つめていた。

その所為で、沖田が急に振り返ればばっちり目が合った。


「また来るよ」


表情が明るくなった凜を満足げに見て、今度こそ沖田は出ていく。

そして、襖の向こうでそっと溜め息を零した。










―――…


凜が目を覚ましてから、一週間が経った。

傷はすっかり塞がっている。

普通の怪我なら長くて四日程だが、鉄砲傷は初めてで体が対応出来なかったらしい。