誠ノ桜 -誠の下で-




「………あ…いや、ごめん」


凜は首を傾げたが、それも一瞬で気にする素振りも見せずにお粥に口を付けた。

猫舌なのかハフハフとお粥を頬張る凜を、沖田は目を細めて見る。


「……沖田さんは」

「ん?」


急にお粥を口に運ぶ手を止めて呟いた凜は、緊張した面持ちで沖田を見つめた。

沖田は一体何なんだろうと不思議そうに凜の言葉を待つ。


「私と………どういう関係なの?」


思わぬ質問に、沖田は「え」と声を漏らす。

よく考えれば、記憶のない凜が誰とどういう関係なのか、気になるのは当たり前だ。


沖田は暫く口を閉ざしていたが、一度大きく深呼吸をした。

そして凜を真っ直ぐに見つめ、口を開く。


「凜が思い出すまで、言わない」

「………え…」


それを聞いて、凜はすっかり手に持っていたお粥の存在を忘れていたのか、


―――ガシャンッ


床に打ち付けるように、皿ごとお粥を落としてしまった。