「はぁぁああっ!!」
ヒュン…バシィッ!
太陽が真上から少し東に傾いた頃。
凜は新選組の稽古場で稽古をしていた。
新選組の総隊長に戻った訳ではなく、
「あーくそっ、もっかい!」
「あっ、平助(ヘイスケ)!!次は俺の番だろ!?」
「馬鹿言うなよ新八(シンパチ)、次は俺だろ?」
ただ強い人と試合をしたいからという理由か
ら来ていたのだった。
「誰でもいいわよ、私は」
「では、俺と手合わせ願う」
昼間からもう何試合もしている凜は、相変わ
らず……と言うより、以前にも増して強いと
伺える。
「あ。斎藤(サイトウ)の奴、割り込みかよ……」
やられた、と言う原田 左之助(ハラダ サノスケ)に
「それより」と口を開く永倉(ナガクラ)。
原田も永倉も、凜とは試合済みだ。
「何であんなやる気なんだ?凜ちゃん」
「師匠が帰ってくるんだよ」