―――…


間もなくして、戦いは幕を閉じた。


「凜、凜……っ」


意識がない凜を運ぶ宮部と、その横には目に涙を溜めている犬山に唇を噛み締める氷上。

誰がこうなる事を予想したか。


「まだ息はある、泣くな暁!!」


宮部の言葉遣いが荒くなっている程、焦りと不安が滲み出ている。

手当てが遅れれば、助からないかもしれないからだ。


「だって、薫…っ!!銃弾を受けたんですよ!?」

「黙れ!!!お前がそんなんで、誰が凜を助けるんだよ!!!!!!」

「二人共落ち着けよ!!!!」


三人して声を荒げる。

銃というのがどんなものなのかをよく知らないからこそ、凜が今どれ程危険な状態なのかも分からない。


これ程恐ろしいと感じた事はなかった。


「っくそぉ!!とにかく、早く藩邸へ……!!!!」


会津藩邸まで、初めて長く感じた。