藩士が知らせに行ったのを確認して、凜は特攻隊の皆と共に走った。
早く行かなければ。
その強い思いによって、四人はかなり早く長州の軍団の後ろに回り込めた。
間もなくして藩士達が戦いを始める。
やはり、長州が押している。
「……行くわよ」
激しい戦いに気を取られている長州藩士の背に、まず凜が一太刀浴びせる。
そこからは長州の総崩れとなり、明らかに会津が押していた。
しかし――
バァン………!!
一つの銃声が鳴り響くと同時に、一瞬静寂が訪れる。
「り、ん……?」
宮部の気の抜けた声に一拍遅れて、皆が騒ぎ出す。
「凜!!凜っ……」
「隊長!!」
凜が、倒れていく。
宮部がそれを受け止めると、唇を噛んだ。
「止まるんじゃねぇ、戦え!!!!!!」
宮部が珍しく、怒りを堪えるような声で叫ぶ。
凜を静かに地面に寝かせ、宮部も残る長州藩士に斬り掛かった。