ふと真面目な顔になって、凜がそう口にする。
目線の先には氷上と犬山がいて、二人で話しをしているようだ。
「私達が冷静じゃないと、藩士に示しが付かないでしょう。不安がってたら、強い者も力が出せなくなる」
ね、と宮部に目を向ける。
宮部は眉を下げて「そうだね」と言った。
その瞬間
――ドォン、ドォン……!
と、突然銃声が鳴り響く。
それは山の方からで、一瞬にして空気が張り詰めた。
凜は直ぐさま藩士達のいる所へ走る。
「ま、待て新選組!まだ出動要請が……」
「黙りやがれ!!」
怒鳴り声が聞こえて何事かと見れば、土方が藩士相手に怒鳴っていた。
「俺達は待機する為にここにいるのか!?」
「そ、それは……」
口を噤んだ藩士を見て、すかさず凜は間に入った。
「行って。この人が正しい事ぐらい、あんたにも分かるわよね?」
「っ、はい!!」