誠ノ桜 -誠の下で-




凜がもう一度と溜め息を吐いた時、足音が聞こえて顔を上げた。


「凜、どうしたの?」

「あ……」


沖田の顔を見た瞬間、凜はまた俯く。

沖田は睡眠の邪魔をされて怒るでもなく、その様子を不思議そうに見ていた。


「……ううん、ちょっと顔を見たかっただけ。ごめん、起こしちゃって」


本当にただ、顔を見たかっただけなのかもしれない、と凜は思った。

沖田の顔を見ただけで、気分が晴れた気がしたから。


「……そう」


沖田は優しげな表情で、目を泳がせる凜を見つめる。

そして再び凜が顔を上げた時、沖田は凜を引き寄せた。


「部屋、来る?」


それが何を意味するのかは、流石に分かる。

いつもなら帰るところだが、凜は無意識に沖田の腕の中で頷いていた。


「凜、今日は何か変」

「え?」

「んや、何でもない」


少し不安を抱きながらも、その後二人は肌を重ね合った。