「薩摩や長州に同行しているとか、聞いた事が
ありますよ」

「じゃあ、帰って来るって事は……」


宮部が何かを悟り、凜に視線を向ける。


「余程不穏な動きでもあったと言う事ね」


不敵な笑みを浮かべると、凜はまた竹刀を構
えた。


「………成る程ね。だから試合で剣の腕を磨く
って事か」




凜の出した、自分の矛盾した気持ちの答え。

それは、『今はまだ会津にいる』と言う事だ
った。