誠ノ桜 -誠の下で-




「こんな技のね」


その言葉を合図に、凜は三段突きを繰り出し
た。

早瀬はぎりぎりで攻撃を防ぎ、息を吐く。


「まさか、見よう見真似か?」

「当たり前よ」


すかさず姿勢を低くして足を狙う。

早瀬は跳んで躱しながら、ははっと笑った。


「すげぇな、完璧だし」

「それはどうも」


再び間合いを取り直す。

見ている三人は、余りのすごさに息を呑んだ。


「彼も、強そうだな」

「強いわよ。……初めて負けたし」


凜の小さな呟きに、早瀬は声を上げた。


「えっ!?本当か!!」

「本当」


凜が早瀬に教わっていた時は試合はしていな
かったから、負けたのは沖田が初めてだ。


「っはは、そりゃすげーな!」

「すごいわよ、総司は」

「何だよ、惚気か?」


純粋に思ったから言ったのに、早瀬はそう言
って笑顔を向けた。

凜はむっとしながら竹刀を振り上げる。