誠ノ桜 -誠の下で-




早瀬は応えるように、歯を見せて笑った。



―――…


パンパンッ カッ ダダン!


会津藩邸の稽古場では、激しい竹刀のぶつか
り合う音が響いていた。

夕日の光が差し込むそこには、二人分の影だ
けが映っている。


時折気合いの声や、静寂が流れ……。

それは、決して止む事はない。


「………強くなったな」

「光栄です、師匠」


まだ、どちらも息を乱してすらいない。

師匠 と 弟子。

その試合は、接戦過ぎる。


試合開始から四半刻が経った時、閉めていた
稽古場の扉が音を立てて開いた。


「凜……と…?」

「まさか…」

「………早瀬 龍飛、さん」


凜は声で宮部、犬山、氷上だと分かる。

早瀬を視界の端で捉らえながらそちらに目を
向けると、宮部は首を傾げて二人は驚いてい
るようだった。


「師匠。右から宮部 薫、犬山 暁、氷上 諒」