誠ノ桜 -誠の下で-




桜の下で互いの想いを確認し合った、などと
言える筈がない。

それよりも、凜は二人だけの秘密にしたかっ
たらしい。

意外に乙女な凜の気持ちであったのだ。


「変な事はしてない。………龍飛の変態」

「うっ……。今の言葉は胸に深く刺さったぞ」


ぷいと顔を背けた先に、見覚えのあり過ぎる
顔が見えた。

しかも


「「あ…」」


目が合った。


「何、知り合い?」

「…………」


早瀬が不思議そうに訊いたが、凜はそれ所で
はない程動揺して赤くなった。

朝慌てていて照れがなかった分、今昨晩の照
れがきているらしい。


「……まさか?」


悟った早瀬が凜にそう問うと、首をぶんぶん
縦に振って肯定を表した。


「…凜、彼は?」

「あえとっ……、早瀬 龍飛よ」


凜の反応を見て少し笑顔を浮かべながら沖田
が尋ね、答えを聞いてまじまじと早瀬を見る。