「それで?」
団子が楽しみですっかり忘れていた話を、凜
は慌てて思い出す。
「で……池田屋に行ったら、予感通り…彼が危
ない状況で」
『彼』という言葉を出すと他より興味を持つ
早瀬。
若干照れながら、先を続ける。
「助けて、助けられた」
「おいおいおいおい、意味分かんねぇって」
確かに自分でも意味分からなかったが、他に
言葉が思いつかなかったのだ。
「………助けた私が倒れて、今度は彼に助けら
れた、みたいな」
「あー、大体分かった」
うんうんと得意げに頷く。
凜の説明が良かったのだと思うが、早瀬も少
し(※)宮部病が入っているようだ。
「…翌朝起きて………そこからは秘密」
「っは、何でだよ」
やらしいな、と良からぬ想像をしている早瀬
を軽く睨みながら、凜は思い出していた。
※宮部病…現代で言うとナルシストな部分が
あるという事。 類=薫病


