誠ノ桜 -誠の下で-




「そこで……今、恋仲の彼と再会」

「ん、出会いは?」


目敏(メザト)く突っ込む早瀬に怯みながら、凜
は「秘密……」と呟いた。

何だよそれ、と笑って流されたので軽く一安
心して、また言葉を紡ぐ。


「でー…芹沢 鴨局長を探って、暗殺」

「あぁ、噂で聞いてたよ」


取り敢えず島原潜入捜査は黙秘しておく。

それにしても、噂になっていたのかと驚く。

が、早瀬は長州や薩摩にいたのだから、敵の状
況を把握しているのは当たり前かと考えた。


「それから、三条大橋で辻斬り粛正」


あの時は宮部ではなく、珍しく氷上と組んで
いた。

と言っても、凜と氷上は似た者同士のようだ
から気が合う。


「それで………藩邸に攘夷志士に侵入されて、
腕をざっくり」

「大丈夫なのかよ?」


心配する早瀬に笑顔で頷くと、安心したよう
だ。

………早瀬なら、松平も自身も傷付けず応戦
出来ただろう。