誠ノ桜 -誠の下で-




「俺はこのままでもい「良くないわよ!!」


珍しく照れもせず反論した凜を不思議に思い
ながら、着物を取ってあげる沖田。

沖田はいつ起きたのか既に着替え済みだ。


「手伝おうか?」

「うん」


ささっと晒しを巻いた凜は、沖田が冗談のつ
もりで言った言葉に頷く。

逆に沖田が固まってしまった。


「……今日、何かあるの?」

「うん!」


凜の着替えを本当に手伝いながら訊くと、凜
は嬉しそうに頷く。


「師匠が帰って来るの、今日になったのよ」


言ってなかったなと思って説明すると、沖田
は面白くなさそうに「ふうん」と相槌を打つ。


「はい、出来た」

「ありがと。じゃあ、またね」


相当機嫌がいい凜は沖田に一度ぎゅっと抱き
着いてから、素早く部屋から出ていった。


「………凜が素直だと、調子狂うな…」


後に残された沖田は、一人ぽつりと呟いた。