凜は黙って自分の額に手を当てて、それから
やっと「…痛い」と声を漏らした。

痛いがお陰で冷静になれた気がする。


「大丈夫?」

「大丈夫だしあのままでも良かったよ」

「………え」


で、今度は冷静な余り本音が出て失言。


「……。私今何て言った?」


たらたらと冷や汗を流しながら、沖田に確認
を取る。

既に顔は見れない。


「『あのままでも良かった』って……」


瞬時に頭を抱えて、自分で自分を呪った。


「夕餉行こう、夕餉」


自分を呪っていても仕方がないと考えた答え
は、結局『分からない』。

取り敢えずごまかす事にしたのだった。