心底恥ずかしそうに、体を起こしながら呟く。


「夕餉、行こっか」


手を差し出す沖田に頷き、凜も手を借りて立
ち上がった。


「でも、良かったかもしれないね」

「え……何が?」


広間までの廊下を歩いていると、唐突に言わ
れて考えた。

が、良く分からない。

不思議そうな顔をしていると、沖田は振り返
って笑った。


「お腹が鳴って」

「な、何で」


忘れようとしていた事を言われて、思わず声
が裏返る。

そこはもう触れないで欲しい、と頬を膨らま
せる。

そんな凜にニヤリと笑い、沖田は凜にとって
衝撃的な事を言って退けた。


「だってあのままだと俺、止まらなかったよ?」


それでも良かったのなら、また後でね。

と言われて、凜は思わず壁に激突した。

丁度曲がり角で、余りに焦っていた為そのま
ま突っ込んだらしい。