凜の乱れた髪を一束優しく包み込み、それを
唇へと持ってくる。
髪に口付けをされているのに、体がビクッと
震えた。
沖田の行動一つ一つに、敏感になっている。
「……"女"として、凜を見てる」
態とらしく、『女』を強調して言った。
それはどういう意味なのか、何て訊かなくて
も分かった。
「俺は今も意識してるんだけど」
ニヤリ、と笑う。
その笑みを見たと同時に、凜はいつかと同じ
ように視界に天井を捉えた。
直ぐに深い口付けが始まり、凜は言葉を発す
る事すら許されなかった。
「……ん、待っ……」
手で胸を叩こうとしても、逆にその手を掴ま
れてしまう。
凜が抵抗を止め、大人しくなった時……
ぐうぅ〜〜…
凜のお腹が盛大な音を鳴らした。
「………ふっ…くくく…」
唇が離れた途端に、沖田は堪え切れずに笑い
出した。
「……穴があったら…入りたい」


