「ねぇ凜……もっと会いに来てよ」
口付けを交わし、沖田は寂しげに耳元で囁い
た。
「俺は会津藩邸には何度も行きづらいし、でも
凜には会いたいし……」
強く抱き締めながらそう言う沖田に、凜は胸
が苦しくなった。
毎日会えないのが寂しいのは、凜も同じで…
新選組の総隊長だった頃のように朝も夜も会
えれば、と考えてしまったのだ。
「うん、もっと会いに来る」
沖田の背に自分の腕を回しながら、凜はすり
すりと身を寄せた。
「好き…」
そう小さな声で呟いたのだが、二人っきりで
静かな今、沖田にもハッキリと聞こえる。
「俺も好きだよ」
聞こえていたのかと顔を上げた凜は、勢いで
ぐらついた。
「きゃっ」
思わず出た声に口を抑えると、この状況に顔
を赤くしていく。
「好きなのは分かったけど………意外だなぁ、
まさか押し倒すなんて」


