「はは、本当に君は……」
くしゃっと凜の頭を撫でると、沖田は優しい
笑顔で凜を見た。
「もう一回、言って?」
「いっ…言わない!」
顔を真っ赤にして逸らした凜に、沖田は残念
そうに呟く。
「凜の『好き』って、滅多に聞けないから……
たまに聞くと、結構嬉しいんだけどなぁ」
「………」
何だか無性に言いたくなるような、恥ずかし
いような微妙な気持ちになった凜。
チラと沖田を見れば、期待しているような目。
「す………」
「す?」
「…………おい」
「おい?…あ」
言い掛けた凜と沖田に聞こえたのは、鬼の声。
「朝っぱらから人前でいちゃついてんじゃね
ぇよ、お前等」
呆れたような土方の声に我に返った凜は、今
自分が何をしようとしていたのか恥ずかしさ
が込み上げてきた。
「またですか……欲求不満さん」
「土方だ阿呆!!」


