と言うか周りの人も見ていないでどうにかし
てほしいと心の中で叫び、自分はどうすれば
いいのか皆目見当も付かなかった。


「よ、よろしかったら…私と……こっ、恋仲に
なってください!!」


もう何が何だか頭がおかしくなってきた。

取り敢えず頭に浮かんできたのは沖田で……
この状況下で、沖田が来てくれたらなんて考
えてしまう。


「何してるの?凜」


いくら何でもそんな都合良く現れる事はない
だろうと思っていると、先程まで考えていた
人の声が背後から聞こえた。


「そ……総司…」


何故かホッと息を吐く。

すると、凜の手を掴んでいた男の手の力が緩
んだ。


「とか言って、大体分かったけど……」


そう言いながら凜の手を引き、男に……周り
に見せ付けるように凜を抱き締める。


「この子の恋仲は俺だから」


ニッコリ、と笑顔を浮かべる沖田。