気がつけば背中に木が当たっている。

何故こんな事になっているのか、凜は丸で理
解出来なかった。


「……何するのよ?」

「何して欲しい?」


いや、別に……と目を逸らした凜は、相当動揺
していた。

強引なのに弱いのは、相変わらずのようだ。


「恋仲なんだから、いいよね?」


と言いつつ前から凜に手を出していた沖田。

というかそういう問題なのかと、凜は反論し
ようと口を開く。


「屯所でいちゃつくな、欲求不満」


ベシッという音が聞こえたと同時に、目の前
の沖田が「痛っ」と声を漏らす。

ゆっくりと離れた沖田の後ろに見えたのは、
呆れた表情をした土方 歳三(ヒジカタ トシゾウ)だ
った。


「あ、土方」

「お前な……」


やれやれと溜め息を吐く。

沖田は不機嫌そうに土方を睨んだ。


「………何ですか、土方さん。あぁもしかして、
嫉妬してるんですかぁ?」

「な…!?お前なぁっ!」