「おい“道化”(ウソ)。お前は命令が聞こえなかったのか?」 少年の前に立つのは、手を後ろで組んだ白髪の青年。 「聞こえない★」 「よし、司。あいつを殺せ」 少年の命令に、脇に控えていたロリータ服の女がナイフを構えた。 「無駄だよ、司さん。刃物で俺に勝てないって知ってるでしょ」 確かにそうだ。司と呼ばれた女では彼には勝てない。 少年は目だけで司に刃を向けろと命令するが、司は静かに刃をおろした。