「そんな事言うなって」 ミヤビくんは軽く笑った。 「…………ねぇ」 「ん?」 「なんであの時、アドリブ入れたの?びっくりしたんだけど」 舞台以外、照明を落としてるからミヤビくんの表情がよく分からない。 「それ、答えなきゃダメ?」 「ダメ」 「えぇ~……」 数秒間を置いてから、ミヤビくんは口を開いた。 「……アリサをタローに重ねてたんだ」 「ってことは、やっぱりあれは私に向かって言ったこと?」 「まぁ、そーだよ」