少しの沈黙の後、 「……和臣くんとは中3の受験の時に会ったの」 あずみはポツリと呟く。 「落としたシャーペンを拾ってくれて。席は隣だった」 私はあずみを見ながら黙って聞く。 「お互い知らなかったんだけど和臣くんが「頑張って合格しよーぜ」って言ってくれた」 「あずみ……」 「由芽の気持ちがやっと分かった。ごめんね、由芽」 あずみは私を見る。 その目には涙が溢れていた。