「…………分かった」 私はミヤビくんの横を通り、屋上に向かって走った。 ギィッ 風が勢いよく吹く。 秋山の姿はなかった。 「あずみ」 私は、体育座りで顔を埋めているあずみの隣に座る。 「由芽、久しぶり」 顔をあげたあずみは、目が潤んでいた。 「……うん。久しぶりだね」 会うのも、こうして話すのも。 本当に久しぶりだ。