あの時のあずみは本当に恋する乙女で……。 「だけど秋山や私に裏切られちゃって、もう恋が出来なくなったんじゃないかと不安だった」 和臣くんは黙って聞いている。 「あずみは一途で、素直で、心優しい人なの」 「……俺もそう思った」 後ろから声が聞こえた。 「あ、レイ役の……」 和臣くんが私の奥を見て言う。 「ミヤビくん……あずみは?」 「屋上にいる。タロー、行ってあげで?」 ニッコリ笑うミヤビくん。